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長浜ブログ

まちづくりにおける『コレクティブインパクト』と『ロジックモデル』

代表あいさつ

2017.11.27

山口県で全4回にわたり開催してきた『地域コーディネーター養成セミナー』。10月にまちづくりの設計図である「ロジックモデル」を、11月には、これまたまちづくりに不可欠な協働の進化版とも言える「コレクティブ・インパクト」について学んでいただきました。

 

この2つは、まちづくりにおいて相互に補完するもの。ロジックモデルで、どのような地域を目指すのか、地域にある課題をどのように解決していくのかを描きます。単なる事業や活動の実施とその結果に満足するのではなく、その先にある成果やビジョンをどのような流れで実現するのかを時系列で描いたロードマップです。

 

そして、そのビジョンを実現するために、どのような主体が協力しながらそれぞれの役割を果たしていくのかを整理するのがコレクティブ・インパクト。多様な主体がビジョンと具体的な到達目標を共有しながら、データ(エビデンス)に基づいて課題の根本解決を目指すアプローチです。これら2つの考えが相互補完的に、まちづくりをより具体性のある、より意志のあるものに変えていきます。

 

 

11月に実施したコレクティブ・インパクトのセミナー1日目では、そもそもなぜ協働が必要なのか、協働を促すためには何が必要なのか、協働をどのように進めていくのか、について講義とワークショップを開催しました。協働するにはその前提となるものが必要です。特に今回は地域の課題解決に取り組むことを前提として、その課題の構造(問題構造とも)を整理し、全体像とその要因や背景を深掘りする「問題分析」という作業を行いました。ツリー構造の上下の関係の中で、原因と結果の関係性を整理していくというものです。

 

 

こうしてみえてきた問題構造に対して、次に「目的分析」を行います。目的分析とは、問題分析で抽出された望ましくない状態を、問題が解決された状態に書き換えるという作業です。書き換える際には、書き換えた項目が「真に望ましい状態か」「実現可能か」「必要十分か」を確認しながら、必要に応じて「目的を変更する」「手段を追加する」「不要な目的を削除する」という作業を加えます。目的が明確になることで新たなアイデアも生まれやすくなります。ツリー構造の上下の関係の中では、目的と手段の関係性となります。

 

 

さらに、抽出された目的と手段を対策(プロジェクト)として整理し直し、評価基準を設定しながら、実施の可否や優先順位を決めていきます。ここまでの「問題分析」「目的分析」「プロジェクトの選択」という一連の作業は、プロジェクト・サイクル・マネジメント(PCM)の手法を活用しています。

 

 

ここからさらに、協働に向けた作業が必要となります。実施しようとするプロジェクトに名称をつけ、それぞれどのような主体(プレイヤー)が、どのような役割を担うことができるかを洗い出します。その際、一旦、実現可能性は置いておいて、プロジェクトの目的を達成するために“本当に”関わってもらいたい主体が誰かをゼロベースで考えることがポイントです。

 

 

この一連の作業をつうじて、協参加者の皆さんには改めて協働を進めていくためには前提条件の整理(問題構造の分析)が不可欠だということを認識していただけたのではないかと思います。今回はあくまでも大きな流れの確認をすることが主眼であるため、本格的に事業を開発・実施していく際には、更に詳細な調査や分析などが必要となるのは言うまでもありません。

 

 

セミナーの2日目は、「ボランティア活動を始めとした県民活動の裾野の拡大へ向けたしかけづくりにどう取り組むのか?」をテーマに、『円卓会議』をトライアルとして実施しました。

 

円卓会議とは文字どおり円状(正確には半円状)になり、特定のテーマに対して登壇者と参加者が話し合いを行うものです。その目的は、情報共有から合意形成まで幅広くあります。一般的な会議と違い、お互いが相対するように座るのではなく、スクリーンを全員が眺めながら議論を深めていきます。協働(コレクティブ・インパクト)の計画から実践、評価にいたるには長い工程がありますが、その中で円卓会議は1つのツールとして情報共有から合意形成、報告まで、幅広く活用することができます。

 

 

今回は沖縄県で実践されている「沖縄式円卓会議」なるものを参考にしました。論点提供者、メインの発言者である“センターメンバー”、一般参加者、司会者、記録者(ファシリテーション・グラフィック)などから構成されます。当日は、前半で論点提供者から提示された困りごとに対して、センターメンバーから違う立場・角度で情報を追加してもらい、後半で参加者を交えた困りごとの解決に向けたワークショップを行いました。

 

会議の最中には、記録者がファシリテーション・グラフィックにより議論の内容をリアルタイムで可視化していきます。言わば同時通訳のようなものですが、議論に耳を傾けながら、その内容を参加者に分かりやすくビジュアルに訴えながら伝えるという、とても重要な役割を果たします。今回は、弊社PubliCoの秋元と外崎の二人がかりでファシグラを行いました。身内ながら、中々の出来栄えだと思います♫

 

 

 

 

最後に、困りごとを共有いただいた論点提供者に対して、会場の参加者全員で出したボランティア拡大に向けたアイデアを模造紙に貼ってプレゼント。提供してもらうものと、提供できるものがあることが、協働推進の肝ではないでしょうか。

 

 

2日間x2回の計4日間にわたる『地域コーディネーター養成セミナー』。自分の故郷ということもあってか、振り返れば、アドレナリンが出っぱなしの4日間だったように思います。参加者のテンションも終始異常に高いまま。主催者である山口県の担当課長も、最後のご挨拶の時にその異様さに喋ろうとしていたことを忘れるほど。。。会場が六角形だったのですが、パワースポットなのかもしれませんね(笑)山口での地域づくりが、益々加速することを願いつつ。。。

 

 

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