「社会を変える組織」をつくる PubliCo(パブリコ)

PubliCoジャーナル

伝わるメッセージがもつ3つの構造

NPOのコミュニケーション

2016.11.1

Writer秋元 由梨

「あなたの団体のミッションは?」

「活動の趣旨を一言でいうと?」

 

皆さんは日々これらの問いに囲まれていると思います。団体を紹介する時、採用面談をする時、パンフレットをつくる時、寄付を依頼する時、ボランティアを募る時、助成金を申請する時・・・

皆さんの話は、相手にどのくらい伝わっていると思いますか?

 

NPOの活動の根幹にあるのは、「Why」を突き詰めた先にあるミッションです。しかし、Whyを突き詰めるほど、周囲には一見理解されにくいミッションになることもあります。課題がより複雑化している現代社会では特にそうかもしれません。

 

■メッセージを構造化する

相手に「伝わる」ように伝えるには、まずメッセージを構造的に整理してみることです。ここで言うメッセージとは、キャッチコピーやスローガンのようなきれいな表現でなくて構いません。下図に示す「課題」「解決策」「プルーフポイント」をそれぞれ一文で簡潔に説明できればOKです。

 

メッセージ構造

 

ちなみに、なぜメッセージの構造化が重要なのでしょう?

私たちには「言いたいことばかりを言ってしまう」傾向があるからです。企業が商品やサービスのよさを一生懸命宣伝するのと同じように、NPOもミッションや活動内容は強く訴えたいものです。しかし、それで人は聞く耳をもつでしょうか?関心がある人ならよいですが、情報過多の今、独りよがりなメッセージはあっという間にスルーされてしまいます。ですから、伝わりやすくするための「構造化」が必要なのです。

 

■伝わるために必要なのは「文脈」―物語を語ろう

このメッセージ構造で一番重要なのが「文脈」です。コミュニケーション分野では「コンテクスト(Context)」とも言いますが、物事を理解する上での前後関係や背景を意味します。文脈の役割は「自分が見ている風景と同じものを相手にも見てもらう」こと。同じ風景を目にすることで、あなたの話に耳を傾ける意識をもってもらうことができるというわけです。まるで物語を語るような、そんなイメージですね。

 

先のメッセージ構造で見てみると、上段の「課題」が文脈共有の入り口として重要な役割を果たします。着目している課題は?課題を引き起こす要因は?そのまま放置したらどうなるのか?皆さんの活動の起因となっている風景をまず見せてください。そして、それを解決するために何がどれだけ必要か、実現できたらどんな成果を生み出せるか?「プルーフポイント」で補強することで、アリティのある未来像を描き、共感や納得を高めることができるようになります。

 

メッセージ構造のさらなる説明

 

誰も手をつけない課題に取り組んでいるNPOだからこそ、皆さんが見ている風景を共有することが人々の大切な気づきになります。NPOのコミュニケーションは、社会全体の気づきを掘り起こしていく重要な役割を担っているのですね!

Profile

秋元 由梨

Yuri Akimoto

株式会社PubliCo コンサルタント

1978年栃木県生まれ。カナダ・セントメアリーズ大学(女性学・国際開発学)卒。学生時代より女性の人権や国際協力のNGOボランティアとして活動する。その後、2005年より米系コミュニケーション専門会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパンに入社し、企業や公的機関の広報戦略、社会啓発、組織活性化などの支援に携わる。その傍ら「医療・福祉分野の多職種連携や学び場づくり」に取り組む一般社団法人サードパスや東京YWCAの「支援者エンパワメントプログラム」で活動する。2016年10月よりPubliCoに参画。

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