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PubliCoジャーナル

NPOに欠かせない「コミュニケーション」の本質

NPOのコミュニケーション

2016.10.24

Writer秋元 由梨

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今回から「NPOのコミュニケーション」というテーマでコラムを担当させていただきます。
コミュニケーション」というと、対人関係から組織論、広報から宣伝広告までさまざまな機能や要素を含みますが、コミュニケーションの大目的は「相手の意識と行動が変わること」と言われています(単なる意思疎通を超えて)。これをNPOの文脈でいえば、「社会課題を解決するために、人々の意識を喚起し、ともに行動する仲間を増やし、その輪をじわじわ広げていくこと」とでも解釈できるでしょうか。

 

本コラムでは、NPOをはじめとする公益組織の皆さんの活動が真の成果を生み出せるよう、コミュニケーションのあり方や取り組み方についてさまざまな角度から探っていきたいと思います。

 

■「コミュニケーション」を「経営」の視点で考える

さて、今年もあと2か月と少しとなりました。私が以前勤めていた会社では、自社を含めクライアント企業の多くが12月で年度末を迎えるため、この時期は平常業務をこなしつつ、年間活動のふりかえり、次年度の計画立案、予算獲得など目まぐるしい忙しさでした。NPOの皆さんにとっても、この時期は各種報告、来期に向けた計画立案、助成金申請、秋のイベントラッシュと多忙を極めているのではないでしょうか。
そこで、事業戦略や計画の見直し、あるいは新たに策定するこの時期に、ぜひコミュニケーションの観点から意識していただくとよいことがあります。それは、「経営とコミュニケーションは一体である」ということ。不確実性の高いこの時代、予測できない変化や混沌をどうサバイブするか、組織や社会をよりよい方向へどう導くか、そのためには「コミュニケーション」を戦略的に実行するという捉え方が不可欠です。これは大手の企業だけでなく、NPOなどの組織にも十分にあてはまることだと思います。

 

■困難をどう突破し、どんな未来を創造するか?

特にコミュニケーションの力を重視する欧米の組織では、”Leader as Communicator”(組織のリーダーは変革や成長を促すコミュニケーターとしての役割を担う存在)という考え方が強く根づいています。そうしてリーダーシップを豊かに発揮できる人は、状況変化を先読みし、課題を定義し、自組織の使命を共有し、アクションを実行し、目的の先にどんな未来を実現したいのか。こんなストーリーを心から語れる力が備わっています。(そのように訓練されている、とも言えます)

 

ストーリーで語れるかチャート

 

このコミュニケーションの考え方は、社会課題の解決にとりくむNPOにとって、かなり親和性があるのではないかと感じています。日々忙しく、目の前の事業や収支に追われているのが現実かもしれませんが、事業全体を見直す節目をチャンスととらえて、一つひとつの活動が、誰のどんな変化につながるのか、その先にはどんな未来を実現できそうか?これを自分たちのストーリーとして語れるように、ぜひメンバー全員で話し合ってみることをおすすめします。

 

リーダー層だけでなくメンバー全員がこのストーリーを共有し、自分の言葉で語れるようになること。

社会的成果をめざすNPOにとっては、欠かせないステップになるはずです。

Profile

秋元 由梨

Yuri Akimoto

株式会社PubliCo コンサルタント

1978年栃木県生まれ。カナダ・セントメアリーズ大学(女性学・国際開発学)卒。学生時代より女性の人権や国際協力のNGOボランティアとして活動する。その後、2005年より米系コミュニケーション専門会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパンに入社し、企業や公的機関の広報戦略、社会啓発、組織活性化などの支援に携わる。その傍ら「医療・福祉分野の多職種連携や学び場づくり」に取り組む一般社団法人サードパスや東京YWCAの「支援者エンパワメントプログラム」で活動する。2016年10月よりPubliCoに参画。

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